縁起

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 観音寺は臨済宗妙心寺派に属するお寺です。
 ご本山は京都の妙心寺。禅宗の一派である臨済宗で、特に武家が厚く信仰していた宗派です。

 観音寺がある元宇品は昔、離島であり、宇品島と呼ばれていました。
 その昔、毛利公の武夫であった坂本宗味秀晴公が宇品島の巡守となって、お寺を中興開基したと伝わっております。
 坂本秀晴公は、お寺に十一面観世音菩薩を安置し、深甚の礼拝を続けられていました。
 後の元和四年(1618年)浅野氏入封の際に一緒に来られた桂雲禅師が臨済宗のお寺として中興され、開山となりました。 

 この十一面観世音菩薩は、観音寺のご本尊で、大同年中(806~810)常勝将軍といわれた坂上田村麻呂公の守本尊で、身丈僅か一寸八分の秘仏であります。

 その昔、源平の戦の際、源範頼がこの仏を奉持して平家追討西下の途中、宇品島近海で見失ったものが後年この島の漕網にかかって曳き上げられたものと伝えられ、小栗観音とも称しており、厄病、水難、難産に対して霊験著しく古くから一般庶民の信仰は申すまでもなく、藩主毛利輝元公も時々この島に遊参して敬われました。
 また、小早川隆景公の厳島参詣の際には、わざわざ船を岸に繋ぎ当山へ登って大慈大悲の尊像に礼拝されるのが常でありました。
 その後、福島、浅野藩と時代は移り変わっても有徳の人々は常に当山に足を運び、杖を曳いて仏縁を結び家内安全、子孫繁栄を祈ったと口伝されております。

 本堂にはまた、等身大の阿弥陀仏がまつられ、広大無辺の慈悲を表現した浄相を示しており、市の重要文化財となっております。

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